こんにちは!ふしみっとパーソナルジムの西川です。
本日は子どもの運動神経を伸ばす方法ついてのお話です。
⚫︎「子どもの運動神経を良くするにはどうしたらいいのだろう?」
⚫︎「なるべく早いうちからスポーツをさせた方がいいの?」
と悩んでいませんか?
子どもの運動神経を良くしたいのならば
POINT■子どもが様々な運動体験をすること
■親はそのサポートをすること
なぜなら子どもは成長段階でこれから体験することで、自分の体の動かし方を学んでいくからです。大人が関わりすぎると成長を妨げる可能性があります。
この記事では『運動が子どもの脳と体の成長に与える素晴らしい効果』をお伝えします。
記事を読み終えると、運動神経を良くするために大人が取り組むこと、子どものスポーツへの大人の関わり方が理解でき、子どものためのより良い選択ができるようになります。
目次
運動神経とは何か?
運動神経は動きの命令を伝える道
運動神経とは脳からの命令を体や内臓の筋肉に伝える神経(道)のことです。
「運動を上手に行う」神経が運動神経に思えますが、実は筋肉に命令を伝える道でしかありません。
ですので「筋肉に命令を伝えること」≠「運動を上手に行う」です。
上手に動くには命令を伝えるだけでなく情報を入手して処理することが大事です。(味方がどこにいて、何をしていて、どんなパスを出せば良いのか?)そして全身を協調させて動かすことが必要です。(力加減、バランス能力など)この時に運動神経は脳で考えた行動を筋肉に伝えることだけをします。
なので、正確には「運動神経は動きの命令を伝える道」と覚えていただくとそれっぽく見えます笑
よく言われる運動神経は「運動能力」のこと
一般的に言われる「運動神経が良い、悪い」は「運動能力が高い、低い」と言いかえられます。
運動能力とは「基礎的な体の使い方」。主には5歳から12歳にかけて鍛える必要があります。36種類の基礎的な体の使い方を鍛え動きの多様性を身につける必要があります。
基礎的な体の使い方を鍛えることで速く走れたり、逆上がりがキレイにできたり、ボールを正確に投げたり、と自分の体を上手に動かせられるので、俗に言われる「運動神経が良い」子どもになります。
ちなみに、「運動能力が高い(運動神経が良い)」と「スポーツ万能」は異なります。スポーツは特有の体の使い方や状況判断などが必要になります。基礎的な体の使い方はスポーツ動作の土台になりますので運動能力を高めることは全ての子どもに必要になります。
運動神経と遺伝の関係
運動神経って遺伝するの?運動神経と遺伝は関係するとは思いますが大事なのは環境設定と多くの体験を積むことです。
ここでは身体能力と遺伝以外の大切な部分「環境設定と運動体験」についてお話しします。
身体能力と遺伝の関係
身体能力は遺伝と関係しています。身体能力によって有意なスポーツ、ポジションがあるので子どもにスポーツで活躍してほしい場合には遺伝を考えてスポーツの選択をするのもありです。
身体能力とは筋力、持久力、瞬発力、敏捷性、バランス力、柔軟性のことを指します。身体能力は鍛えられますが持って生まれたものでもあります。例えば遺伝的に大きな力を出す筋肉の繊維(速筋繊維)が多い人は瞬発力が高い可能性があります。
身体能力が高いから運動能力が高いとは言えません。筋力、瞬発力があっても跳べません。「跳ぶ」ためには腕や股関節の使い方、地面を押す感覚が大事です。これは体の使い方(運動能力)を鍛える必要があります。なので、「身体能力が高い」と「運動神経が良い」は必ずしも一致しません。
身体能力と運動能力は関わりがあるものなので、遺伝は関与していると思いますが身体能力も運動能力も鍛えることは十分にできます。
遺伝以外の要素となる環境、運動体験の必要性。
遺伝は変えられません。ですがそれだけで運動能力、身体能力が決まるわけではありません。
運動能力を高めたいのなら、環境を設定すること、様々な運動体験をすることが遺伝よりもめちゃくちゃ大切です。(体験なので「させる」ではなく子ども自らが「する」が大事です。)どのような環境なのかで行動は変わります。現在は外遊びができる環境が少なく子どもは体を動かす機会が減っています。
子どもは未熟で神経のネットワークが密につながっていません。ネットワークを密につなげることが「運動神経が良い子」には必要です。京都市内のように道路が碁盤の目だとどの道を通っても目的地にスムーズに着けます。途中に事故があっても違う道を通れば目的地にたどり着けます。目的地への道路が1本だけだと、その道で事故が起きれば目的地にたどり着けません。
神経のネットワークが密なほど様々な体の使い方ができます。命令がスムーズに届くので体全体が協調した動きになります。ネットワークを密にするために様々な運動体験が必要で、そんな環境設定が子どもの運動神経に関わります。
なので遺伝のせいで運動神経が悪いと思わず、様々な運動体験ができる環境を作り運動能力を鍛えていきましょう!
運動神経が良いとどうなの?
運動神経は良いにこしたことはないのですが、よかったらどうなの?
運動が体に与える効果
- 体力運動能力の向上
- 考える力の向上
- コミュニケーション能力の向上
- 社会への適応性を養う
- これらが運動によって得られる効果と考えています。
体力とは
体力は行動体力と防衛体力に分けられます。
行動体力とは行動を起こす能力、維持する能力、調整する能力の3つからなります。これは筋力を発揮する、持久力、敏捷性、巧緻性を表します。
防衛体力とは病気に対する抵抗力です。病気にかからない、かかっても戦って回復する力です。
この2つの体力が高ければ、運動のパフォーマンスは上がり、病気にも強いです。簡単に言えば、健康で長生きできることです。←すごく大事!
また大人で体力が高ければ、仕事をやりきる、病気の予防、自分らしく生きる、生活を楽しむことにつながります。子どもの未来を考えれば体力を上げることは必須ですよね。
運動能力についてもう少し
「運動能力は体の基礎的な使い方」とお伝えしましたが、これは姿勢や集中力などにも深く関わります。
発達のピラミッドというものがあり、ピラミッドの1番上は学習や運動の高度化です。そして土台にある部分は視覚、聴覚などの感覚情報になります。
『視る』という機能(視力ではありません)が低下していれば本を読むのが苦手、板書が苦手、キョロキョロしちゃうことがあります。そんな子どもに「集中して勉強しなさい!」はかなり難しいです。
固有感覚の機能が低下していれば、自分の体がどうなっているのかわからない、筋肉の適度な緊張を作れないので姿勢が悪くなります。それによって脳への酸素が阻害され集中力が保てないかもしれません。「姿勢を正しなさい!」では直らないんです。
このように発達には土台である感覚器にたくさん働きかける必要があります。それができるのが『運動』『遊び』です。遊びが子どもの発達を促します。だから「遊ぶのは子どもの仕事」と昔から言われているのですね。
運動は感覚器の働きを高めるので自分の体への理解が深まり、体の使い方が良くなり、高度な運動、学習が進んでいくんですね!
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感覚器と体の動きについて理解しやすい本です。落ち着きがない、動きがぎこちないなど、子どもの発達に関する悩みの解決の糸口になるかもしれません。
考える力、コミュニケーション能力が養える
成長するにつれて運動は1人だけで行うものから複数で行うものに変わります。
それにより相手のことを考える必要が出てきます。キャッチボールをする時に相手が捕りやすいボールを考えて投げます。たまにいたずら心で捕りにくい球を投げる子どももいますが、それも相手がどこなら取りにくいかを考えて投げています。まさにコミュニケーションの基礎ですね!
そして、複雑な課題にチャレンジもします。それにより自分の体でどうすればクリアできるかを子どもは勝手に考えます。ここで大切なのはできないからと言って大人が手伝わないことです。クリアすることが大切ではありません。何をしたらどうなったかを子どもが感じることが大切です。結果より過程が子どもにとってかなり大事になります。
そして、人と交じり合うことでそこには社会が生まれます。どんな社会でも生きていく上ではその社会に適応しなければなりません。これは子どもの頃から築くもので『遊び』で養えます。
どうでしょうか?運動、遊びの大切さがわかりましたでしょうか?どんな子どもにも運動、遊びは大切だと思いませんか?
運動が習慣になり健康を維持でき、体力が上がり、運動が好きになる。コミュニケーション能力、考える力が身につき、姿勢が良くなる、社会に適応する力が身につく。
どれもが未来を楽しく自分らしく生きていくために必要です。子どもの時にどれだけ遊ぶかで未来の可能性は変わってくると思っています。
運動神経をよくするために必要なこと
では、運動神経を良くするためには何をすれば良いのでしょうか?「運動」ですが「遊び」「スポーツ」も必要です。
ここでは
「どんな運動が良いのか」
「スポーツに対する考え方」
「遊びの時の注意点」
「遊び以外の運動の必要性」
をお伝えします。
目的のある運動を行うこと
目的のある運動で、自分の体を操作し運動能力(運動神経)が鍛えられます。
そもそも「運動」とは何でしょうか?
これが運動と考えています。
脳が体の動きを企画することが必要で「どうやって動こう?」と考えるものが運動です。目的がない運動は運動と言えません。
「木の上まで登る」自分の体をどうすればうまく上まで登れるかを考えます。それにより腕や脚、体幹の筋肉を使います。1つの筋肉だけでなく複数の筋肉を同時に連動させます。
自分の体を自由自在に使えれば運動能力は高まります。そのためには目的のある運動が必要で「やりたい!」「楽しい!」と感じる要素も大切です。
スポーツに特化しない
遊ぶ環境が少なくなったせいかゴールデンエイジ理論を多くの方が知るようになった影響か、小さいうちからスポーツをしている子どもは多いです。スポーツをするのは良いですが特化しないことが大事です。
小さいうちにスポーツに特化することでの問題があります。運動能力が低い状態でスポーツ特有の体の使い方に偏るとケガにつながります。実際に小学生で肘や膝、腰が痛くて整骨院に通っている子どもがいます。
そして運動能力が低いのでスポーツ技術の習得が難しくなります。走り方が良くないのにサッカーのドリブルでキュンキュンに素早いドリブルは身につきません。
そして子どものためのスポーツが大人のためになっている場合があります。子どもは楽しくてスポーツをしています。勝つことは子どもにとって1番の楽しさではありません。「試合に出ること」「友達と喋ること」などの方が楽しいのです。勝つことを求めすぎているのは大人のエゴかもしれません。
子どもは何のためにスポーツをするのでしょうか?
スポーツには良い面もあります。アメリカのオバマ前大統領はスポーツから多くのことを学び仕事に通じていると言っています。ですが、スポーツにもデメリットはあります。現在はそのデメリットえお受けている子どもが多くなっていると思います。個人的には小学生の間は色々な『遊び』『運動』が大事と考えています。
遊びの注意点
子どもには遊ばせれば良いのですが注意する点があります。それは「大人が干渉しすぎない」ことです。遊びとは本来子どもが主体的に楽しくやるものです。そこに大人が手をかしすぎると成長の機会を阻みます。
大人もですが子どもが成長する時は「やりたい!」と思ったことに対して自らチャレンジすることです。主体的に動き結果が出ます。その結果をもとに次はどうするかを考え次の動作の修正を行います。
例えば、「木に登りたい!」と子どもが思いました。あ、最近は木に登る子どもは少ないのでボルダリングにしましょう。ある目的地点まで登る時、どこに手や足を置き、どうやって進んで行こうか考えます。自分の体の理解が深い場合はイメージと動きが一致します。一致しない場合は届くつもりの手が届かなく落ちてしまう…ことが起こります。
実際に動いてどうなのか?イメージ通り?修正はどうする?難しそうであれば他に行ける手段は無い?そんなことを沢山考えています。この時、親ができることは見守ることだけです。「そこの黄色に右手を出しなさい!」「あーそこじゃ無い!もう一個左!」なんなら子どもの脚を持って「はい、ここね!」は無しです。
これでは子どもの考える力は身につきません。子どもの自分の体に対する理解を減らします。ボルダリングは上手くなっても運動の効果を得ることは難しいです。大切なことは自分で考えて自分の体を動かすことです。そのためには時間がかかっても子どもが飽きるまで見守ることです。
遊び以外の運動の必要性
多様な遊びができればいいのですが、偏った遊びになることもしばしば。子どもの体力運動能力の向上を狙うならその子が不足している力を遊びで補う必要があります。それを仕掛けるのが大人の役目かなと考えています。
子どもには成長段階を考慮した運動が必要です。掛け算の前に足し算を覚えますよ。難しいことが早くできるとすごく見えてしまいますがやはり基礎は大事です。
不足している力を伸ばす。成長段階を考慮する。このために大人が関わり、子どもは遊びながら能力が上がる。そんなことができれば効率良く子どもの体力運動能力の向上は図れると考えています。
遊びまくれればいいのですが、そんな環境が少ないのが現状。そして今は便利のおかげで世界が広がっています。将来のために運動以外に時間を使うことも必要です。そうなれば効率の良い運動指導が必要になるのではないでしょうか?
子どもに運動させる時に考えたいこと
■子どもに運動させる時に考えたい3つのこと
- 様々なスポーツをさせる(1つのスポーツに特化しない)
- 遊びまくる
- 体力運動能力を向上させる運動
スポーツに関しては大人が関わりすぎない、大人のためのスポーツにならないようにすることが大事です。
遊びに関しては危機管理をする必要はありますが、大人がサポートしすぎて子どものチャレンジの機会を減らすことは少なくしましょう。
体力測定の結果、成長段階を指標に必要な運動能力を磨いていきましょう。
この3つを念頭に子どもに運動をしてもらえば子どもの脳と身体は成長し未来への可能性が広がると考えています。
なぜなら運動の刺激が脳の神経回路(ネットワーク)を密接につなぎ、筋肉や骨の成長を促し、自主的な運動によって考える力が育まれ、人と交わることでコミュニケーション力、社会への適応性が築かれていきます。
運動能力を鍛えて子どもの運動神経を良くしよう!
最後にまとめます。
POINT■子どもの運動神経を良くしたい場合、色々な遊びや運動をして運動能力(基礎的な体の使い方)を上げましょう。
■早いうちからのスポーツも良いですが『特化しないこと』『運動能力の向上を図りながら』スポーツをしましょう。
大切なことは子どもに運動体験を積ませることです。それが子どもの健康と成長を育みます。「やりたい!」「楽しい!」が体験には必要です。様々な目的でスポーツや習い事をさせると思いますが、子どもの健康と脳と体の成長を目的とした運動もしてもらえたらと思います。
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